僕が新卒で”普通の会社員”をしてよかったと思う理由


「大手とベンチャーどっちに就職しようかな?」「将来は起業したいけど、就職するならやっぱりベンチャー企業の方がいいのかな?」

こんな疑問にお答えします。

僕は、大学院を卒業して新卒でメディア系の会社に就職して、その後ベンチャー→フリーランスというキャリアを積んできているのですが、最近になって初めての就職でいわゆる、”普通の会社”に就職をしてよかったなと思うことが多いです。

そんな僕の個人的な経験談も踏まえて、冒頭のような疑問をお持ちの方にこの記事を書いてみようと思います。

簡単に僕の経歴をご紹介


まずは、筆者の僕自身の経歴をご紹介します。

細かい部分については、プロフィールの記事でご紹介しているのでざっくりと経歴だけ。

大学院卒(修士)

新卒で大手の老舗メディア会社に就職

メディアの運営やマーケティング、企画、営業など一通りの仕事を経験

2年弱勤めて、転職

コマース系のメディアベンチャーに就職

運用型広告、記事広告などを担当

フリーランスとして独立

この記事で言っている「普通の会社員」というのは、新卒で入った最初の会社に勤めていたときのことを言っています。

僕自身、元々は起業思考で、大学院卒業後はすぐに起業orベンチャー企業に就職ということを考えていたのですが、ある考えに至り、一旦普通の会社に就職をしました。

僕が”普通の会社”に新卒で就職をした理由


まずは、僕が”普通の会社”に就職をした理由を説明する前に、ここでいう「普通の会社」の定義を明確にしておきます。

“普通の会社”の定義

・ある程度の企業年数がある(10年〜くらい)
・ある程度の社員数を抱えている(100人〜くらい)
社内に複数の部署なりプロパーな管轄をするチームが存在する(例えば、営業部やマーケティング部、新規営業チームなど)
・社内には役職による序列が存在する(社長→部長→ジェネラルマネージャー→マネージャー→リーダー→一般社員など)
社内には決まった稟議プロセスや手続きの仕組みが存在する
・社内には会議や打ち合わせなどが存在する

おおよそこのようなものを満たしている会社をこの記事では便宜的に「普通の会社」と呼ぶことにします。

※「普通」という言葉に特別な意味合いはありません。上記を満たさない会社が「普通でない」という意味ではないのでご注意ください。

特に重要なのは太字にした部分です。

僕がベンチャーではなく”普通の会社”を選んだ理由

実際に就職をするタイミングになって、当時(2014年〜2016年くらい)は学生ベンチャーなどが流行っていた(ように僕には見えた)時期だったのもあって、就職しないで起業するかベンチャーで揉まれようと考えていました。

しかし、ふと冷静になり以下のような考えが浮かびました。

「別に焦って起業しなくてもいいな? 第一、社会人としての経験もないのに学生からいきなり会社を作っても成功する確率は低いな?」

そうです、ある考えとは、このごく当たり前の事実・考えに気づいたということです。

実際、少し経ってみてこの考えは間違っていなかったと確信することになります。というより、まさに今実感していると言ってもいいくらいにこの選択は間違っていなかったと思っています。

その理由を説明します。

新卒で”普通の会社員”をしてよかったと思う理由


新卒で入った会社を退職して、ベンチャー→フリーランスとなった今、非常に実感をしている”普通の会社員”をしてよかったと思う理由をご紹介します。

① チームで仕事をするという感覚が理解できた

仕事というのは基本的にチーム(=複数人)で行うものです。もちろん個別のタスクベースで見たら実際に動くのは個人ですが、もう少し大局的に見れば全ての仕事はチームプレーと言えます。

この感覚は、例えば仕事で「自分はAという仕事がしたい」と思った時に、ただ単に「僕はAがしたいです」という考えだけでは会社という組織では成り立たなくて、「Aという仕事をしたい。そのためには〇〇さんを説得しなければいけないな。そのためには、・・・」のように、常に自分がやることに対してどうしたらそれを社内の人に納得してもらえるかを考えるようになりました。

他にも、チームや社内を見渡して、「自分がこういう風に動いたら、社内にはこういう影響が出るな」とか、「僕のこの発言はきっと〇〇さんにはプラスで〇〇さんにはネガティブに働くな」みたいな、ある種「空気を読む」スキルが付きました。

② お金(=会社の利益)を意識するようになった

これも会社で働くということでいえば至極当たり前のことですが、「自分の仕事が会社の利益になっているか?」ということを常に意識するようになりました。

もちろん、利益に直結しないけど大切な仕事も存在しますが、少なくとも先ほどの例のように何か自分でやりたいことがあってそれを会社の中で実現しようとした場合は、利益の部分を考えるクセが付きました。

何か上司に提案する場合は、常にマネタイズの部分も合わせて提案するようになると、上司を説得しやすいというのも学びました。

③ 社会人としての「型」を身に付けることができた

これは本当にベーシックなところですが、”普通の会社”に入ったことで社会人としての「型」が身についたと実感しています。

例えば、名刺交換、電話対応、敬語、メール作法などの基本的なビジネスマナーはもちろん、社内での振る舞い方、意見を通すための根回し、社内でのキーマンを抑える、社内の空気の読み方など表立って教わらない部分も含めて、”普通の会社”に就職したからこと学べたことだと実感しています。

④ 社外とのコネを作ることができた

これは”普通の会社”に就職して、その後自分の財産になったなと思っていることですが、社外にコネをたくさん作ることができました。

ベンチャーでは、なかなか関係を持つことができないような人たちと普通に仕事をすることができ、手っ取り早く色々な業界に人脈を作れたのは独立した今、ものすごく助けられている部分です。

⑤ ”普通の会社”の人の考えが理解できるようになった

これは、転職してベンチャーに就職してから気づいたことですが、自分が”普通の会社”にいたからこそ、そこで働いている人たちの”常識”みたいな考えに理解を示すことができるようになりました。

ベンチャーには、様々な業界や職種から転職してきた人が集まっていることが多いですが、そういった人たちの共通の認識みたいのを”普通の会社”に就職したことで得ることができたと思います。

まとめ


以上、僕が新卒で”普通の会社”に就職をして良かったと思う理由をご紹介しました。

実際に、ベンチャーに就職して、その後フリーランスとして独立してみて非常に実感するのは、上で挙げたようなポイントが結構見られているなと言うことです。

どんなにハイスペックで、キラキラキャリアだとしてもまずは上であげたポイント、特に①〜③は身についていないと話にならないという印象です。

実際に、新卒でベンチャーに就職してもちゃんと仕事をして社会人をやっていれば身につくスキルだとは思いますが、僕個人としてはそういったスキル身に付ける必要がある環境(=上で書いた”普通の会社”の定義のところ)がある程度備わっているところに就職をした方が手っ取り早く身につけられるかなと今では考えています。

もし、今、就職活動でベンチャーか一般企業に行くのを悩んでいる人がいれば参考にしていただければ幸いです。