【要約】自己啓発系の名著と噂の『7つの習慣』を読んでみた感想


皆さんはスティーブン・R・コヴィー著『7つの習慣』という本をご存知でしょうか?

1989年の初版出版以来、全世界で2000万部を売り上げ、25年間にわたって世界中で読まれている自己啓発本の名著です。

ここでは、そんな世界的名著である『7つの習慣』をまだ読んだことがない方に向けて簡単にその内容を紹介したいと思います。

はじめに断りを入れておくと、本書をここでは便宜的に”自己啓発本”と言っていますが、扱われている内容はビジネスにおける成功哲学であったり、幸福な人生を築くための指南であったりと多岐に渡るため、いわゆる、人生の成功を得るための表面的なテクニックだけを紹介した”自己啓発本”ではありません。

では、紹介していきましょう。

本の見た目


ご覧の通り、溢れ出る自己啓発本感満載の表紙になっており、この手の書籍が苦手な方はなかなか手に取らないのではないかと思われる。

もう少しオシャレな表紙の方がいいと個人的には思う。さらに表紙から微笑みかける怪しげなおじさんがこの本の胡散臭さを助長している。(もちろん、彼がこの本の著者であるコヴィー氏であり、決して怪しいおじさんではない。)が、さらにさらに読者を遠ざけているのはそのページ数である。

521ページ。

分厚すぎる。普段から読書を習慣にしている人でも気合いを入れて読まなければ読了は無理であろう。

お遊びはここまでにして内容の紹介に移ろう。

7つの習慣とは?

7つの習慣が何かを説明する前に、本書のコアになっている考え方を紹介する。それは、

インサイド・アウト (内から外へ)

という考え(より正しくは原則)です。人生において実りある、真の成功と幸福を実現するためには、自分自身が優れた人格者となることであり、自分の内面(インサイド)から外(アウト)に良い影響を与えられるようになることであるとする考えです。

簡単に言ってしまえば、”影響を受けるような生き方ではなく、影響を与えられるような生き方をしましょう” という考えです。

このことは本書の原題である、

The 7 Habits of Highly Effective People』(直訳すると、「高い影響力を持つ人間の7つの習慣」)

からもうかがい知ることができます。

この考えのもと、次の7つの習慣が紹介されています。7つの習慣は大別すると

1.私的成功(第1~3の習慣)

2.公的成功(第4~6の習慣)

3.再新再生(第7の習慣)

の3つのステージに分かれています。

第1ステージ:私的成功

第1の習慣から第3の習慣は私的成功のための習慣であり、これらは自らの人生の依存から自立へと導くための習慣です。

第1の習慣:主体的である (Be Proactive)

ここでは、人は誰しもが外からの影響に対する反応を選択する自由を有しているということが解かれています。例えば、他人の言葉を真に受けて気持ちを暗くすることもできるし、アドバイスだと思って自分のプラスに働かせることもできますよね? これらはすべてあなた自身がその言葉に対する反応を選択した結果なわけです。

第1の習慣では、この反応の仕方を自ら、”主体的に”コントロールし、周囲の状況を率先して行動を起こして改善していくことが大切だということが紹介されています。

第2の習慣:終わりを思い描くことから始める (Begin with the End in Mind)

自身の人生のゴール(終わり)がどうありたいかをしっかりと思い描くことが大切だという話です。単に、思い描くだけでなく”ミッションステートメント(個人信条)”と呼ばれる自分のなかの憲法(ルール)を作成することで、人生におけるあらゆる物事をはかる物差しとして活用しましょうということです。

第3の習慣:最優先事項を優先する (Put First Things First)

ゴールを決めたなら、それをいかに実現するかが重要になってきます。そこで大切なのが時間管理です。日常の瑣末なことに振り回されて、本来やるべきことができないというのはよくあることですが、それをしっかりと時間管理をすることで防ぎましょうという教えです。

どうやって?

ミッションステートメントに照らし合わせることで「最優先事項」を把握し、それを「優先」させましょう。

・・・・・ふう。これで、第一ステージはクリアです。これら3つの習慣が身につけばあなたは自分の人生を自分自身で選択できる自立した人になれます。

第2ステージ:公的成功

第1ステージは言うなれば、インサイド・アウトの「インサイド」の部分に関する習慣でした。この第2ステージでは、「アウト」の部分、つまり他者へいかに影響を与えていくかの部分に焦点を当てた習慣が展開されます。それは換言すれば、他人と協力をしてより大きな成果を得るということにつながります。

第4の習慣:Win-Winを考える (Think Win/Win)

これは読んで字のごとく、他者との協力関係においては常にWin-Win、つまり相互利益を追求し、目的を達成するべきだということです。また、どっちかが負けるという状況においては取引しない (No Deal) という考えも持つべきだということです。

第5の習慣:まず理解に徹し、そして理解される (Seek First to Understand then to Be Understood)

例えば、好きな女性がいて、自分のことを知ってもらいたい、理解してもらいたい、出来れば好意を持ってもらいたいと思った時、あなたならどうしますか?

必死に自分の長所や、チャーミングなところを一方的に相手に伝えたとしたらどうでしょう?

きっと、その女性には振り向いてもらえないでしょう。(多くの男性陣は人生訓としてこの事実を知っているはずです・・・)

では、振り向いてもらうにはどうすればよかったか思い出してみると・・・

そうです、まずは相手の話を聞き、相手を深く理解することに徹底すればよかったんですよね?(これも男の人生訓の1つですね?)

この第5の習慣はまさにこのことを言っています。男女の関係だけでなく物事全てにおいて他者との関係においては、まずは相手を理解することに徹しましょうということです。

第6の習慣:シナジーを創り出す (Synergize)

公的成功最後の習慣は、「シナジーを創り出す」です。シナジーとはつまり相乗効果のことであり、”全体の合計が個々人の成功や力などの部分の総和よりも大きくなる”ということです。

ここに、私的成功だけにとどまるのではなく公的成功を目指す理由があります。個々人では達成できない成功が他者との協力によって生み出されるというわけです。

第3ステージ:Road to 再新再生?

ようやく、本書の最後の習慣である第7の習慣、

第7の習慣:刃を研ぐ (Sharpen the Saw)

にたどり着きました。ここまでくれば真の人格者への道もあと一歩です。

”刃を研ぐ”とは何でしょうか?

それは、あなたの人生において最も基本的な資産であるあなた自身を肉体的・精神的に磨き上げるということです。そのほかにも知性や社会・情緒に関する部分もバランスよく吸収する必要があります。つまり、平たく言ってしまえば自分磨きということですね。

第1から第6の習慣をどれだけ深く理解しようと、それを実践するのはあなた自身なわけです。そのためにも健康ですこやかな肉体と精神を常に追求する必要があるということです。

上図の4つのエレメント(肉体・精神・知性・社会情緒)を日頃からバランスよく高めることが他の習慣を手に入れる基本というわけです。

この第7の習慣を組み込むことで、常に自分自身を再新再生させ、真の人格者を目指しましょう。

結局、この本を読んで役に立つの?

と、ここまで読み進めて思う人もいるかもしれません。役に立つかどうかは全くもって読む人の捉え方なので一概には言えませんが、1つ言えることは、この『7つの習慣』は、冒頭でも述べた通り、単に”うまく生きるテクニック”を紹介しているわけではないということです。(というか、紹介していないですね。)その点が、他の自己啓発本と一線を画している点であり、これほどまで広く読まれている理由だと思います。

ここでは、簡単に7つの習慣って何? という声に応えるつもりで簡単に紹介しました。文中には無定義で使ってしまった言葉(「原則」や「ミッションステートメント」など)があるので、気になった人は本書を読んで確認しつつ、Highly Effective な人格者を目指しましょう!

七つの習慣が気になったら・・・

以上が、本当にざっくりとダイジェストで7つの習慣をご紹介した内容になります。

もっと詳しく知りたい」、「ちょっと面白そうだから読んでみようかな」と思われた方はぜひ、読んでみてください。