アドネットワークの仕組みとは?DSPとの違いを図入りでわかりやすく解説


「アドネットワークの仕組みについて知りたいな」「未経験で運用広告の担当になってしまったけど、まずはアドネットワークが何かざっくり知りたい」「DSPってよく聞くけどアドネットワークとの違いは何?」

大手メディアを運営する会社でネットワーク広告の運用担当をしていたがこんな疑問にお答えします。

アドネットワークとは?


スマホやパソコンで日々、様々なサイトをみていると至る所で広告(バナー広告や動画広告、インフィード広告など)を見かけると思います。

このブログにもちょこちょことバナー広告が出ているかと思いますが、それです。

この広告ですが、世の中には星の数ほどWebページが存在しているのに、どうやって広告を出しているのでしょうか。

その答えになるのが、今回のテーマの「アドネットワーク」と呼ばれる仕組みです。

アドネットワーク(Ad Network)とは、読んで字のごとく「広告(Advertisement)」+「ネットワーク(Network)」のことで、一言で言ってしまえば様々な広告を束ねて(ネットワーク化して)、インターネット上の広告媒体(Webページや各種SNSなど)に配信する仕組みのことです。

アドネットワークの仕組みについて詳しくみる前に、インターネット広告が今までどのように配信されていたのかを説明します。

アドネットワーク登場の背景


アドネットワークが登場するまでは、インターネットの広告は、直接広告主(広告を出したい人)が、各媒体(広告の出し先)に広告交渉を行い広告を掲載していました。

つまり、1~10までの媒体に一つの広告を出そうと思ったら、1~10の各媒体と広告の出稿条件や料金を交渉して出稿する必要があったのです。

インターネット広告とは言っても、普通に街中にある看板広告と同じような形で広告が成り立っていたわけです。

普通に考えてこれはめちゃくちゃ手間のかかることだということがわかります。

それだけでなく、インターネットに広告を出すには以下のような課題がありました。

アドネットワーク以前のインターネット広告の課題


・1つ1つの媒体に広告掲載をお願いしないといけない
・良い広告媒体(Webサイト)を自分で探さないといけない(=どの媒体が良いのか判断ができない)
・広告の出稿料金(課金形態)がバラバラで、媒体の選定が難しい
・媒体から提供されるデータもそれぞれ違い、媒体間の比較が難しい
・媒体から提供されるデータの信憑性

上記のように広告主は不確定な状況の中、広告の出し先を選定する必要があり、広告を出したとしても広告が実際に効果があったものなのかを判断するのができないような状況だったわけです。

加えて、媒体側としても、広告主からもらったクリエイティブ(バナー素材など)を自社のサイトにベタ張りする必要があったり、広告の管理も手運用でしなけれいけなかったりと多くの運用コストがかかっている状況でした。

つまり、アドネットワークが登場する前までのインターネットの広告というのは、広告主・媒体側双方にとって非常に面倒なものだったというわけです。

そんな課題を解決するべく登場したのが、アドネットワークです。

アドネットワークの仕組みと特徴

上記の課題を解決するために、アドネットワークでは次のような仕組みを採用しています。

アドネットワークの仕組み

アドネットワークとは、冒頭で述べたように複数の広告媒体の広告枠をまとめ上げたネットワークのことでした。

この「広告配信ネットワーク」に広告主は、「入札」という形で広告配信をすることで、広告主は複数の広告枠に一括で広告を掲載することが可能になります(下図参照)。

これによって、広告主は従来のように各媒体ごとに出稿の手続きをすることなく、一括で複数の広告枠を獲得することが可能となったわけです(やったね!)。

広告主は媒体ではなく、アドネットワーク事業者が保有するアドサーバーに入稿することで、広告情報を蓄積します。

アドネットワーク事業者は複数の媒体でネットワークを形成し、それぞれの広告枠にアドサーバーに蓄積されている広告を一括掲載するというわけです。

複数の媒体に一括掲載されるため、広告の表示数やクリック数の増大につながり、小規模の媒体でもアドネットワークに入ることで広告枠を活かし収益化することができるようになりました。