よく「仕事のモチベーション何ですか?」とか、「モチベーションが上がらなくて仕事が捗らない」という声を聞きますが、
そもそも「モチベーションと仕事のパフォーマンスは関係ないよね」と思うので、その話をします。
モチベーションは維持ができない
仕事に限らず、いろんなことで言えることですが、そもそもモチベーションはそう簡単には維持できないものだと思います。
それこそ、その時々の体調だったり、天気だったり、プライベートだったりと様々な要因に影響を受けるとっても不安定なものではないでしょうか。
例えば、仕事であればAさんがあるプロジェクトに参加していて、「プロジェクトを何としても成功させたい!」と高いモチベーションを持っていたとしても、そのプロジェクトを外されればモチベーションもクソもないですよね。
外されないとしても、当初はすごい魅力的に思えていたプロジェクトが実際にやってみたらなんか思っていたのと違っただとか、一緒に動くメンバーに苦手な人がいたなんていう理由でモチベーションが下がったりするのは皆さんも経験で理解しているところではないでしょうか。
また、逆にプロジェクトに参加することで給料がUPするという状況であれば多少のネガがあってもモチベーションは上がるでしょう。
つまり、モチベーションは思っている以上に不安定なもので維持が難しいです。
さらに言うと、モチベーションで仕事をするとパフォーマンスが非常に不安定になるということです。
モチベーション低下のコスト
数学者のマルシャル・ロサダの研究によればネガティブな言動の悪影響を打ち消すには、その3倍のポジティブな言動が必要だとされています(=いわゆる「ロサダの法則」)。
この法則に従うとすれば、一度でもモチベーションの低下を認識してしまうと、その3倍ポジティブな気持ちが必要ということです。
つまり、一度下がったモチベーションを元に戻すのは非常にコストがかかる精神行為だということがわかります。
求められるのはアベレージなパフォーマンス
仕事をしていて、求められるのはどんな時でも一定の成果を出すことですよね。
もう少し具体的に言えば、モチベーションがめちゃくちゃ高い時には驚異的なパフォーマンスをするけど、低い時は周囲の足を引っ張りまくるAさんと、別にやる気とかそういうのはないけど常に淡々と一定以上のパフォーマンスをするBさん。
AさんとBさんのどちらと仕事したいかと言われたら、圧倒的にBさんのはず。
Aさんは、モチベーションに依存した仕事をしているため、最低限のパフォーマンスラインというものを維持できないリスクに晒されているということです。
仕事というのは、「この人ならこれくらいの仕事は最低限やってくれるよね」という信頼関係から依頼がされるはずで、そこを周囲が見極めるための一定のパフォーマンスを提供できないというのは仕事をしていく上で非常にリスクだと思います。
仕事をアベレージ化する方法
では、どうしたら常に一定以上のパフォーマンスを提供できる人になれるでしょうか。
「型」と「習慣」で仕事をする
つまりモチベーションで仕事をするのではなく、ルーティンで仕事を回すということ。
例えば必ず毎日9時に出社して、最初に業務のToDo洗い出し→メールチェック→、その次は……というように、仕事順番を決めてしまいます。
もちろん仕事ではイレギュラーな問題がつきものですが、これも「こういったイレギュラーにはこう対応する」というように事前に決めておけば、すべて「型」「習慣」の範囲内で対応できます。
アウトプットをテンプレ化する
いきなり生活習慣や仕事の型を作るというのはなかなか難しいという方は、まずはアウトプットをテンプレ化するのがおすすめです。
例えば、
・週次、月次ベースで作成しているデータがある場合は、それらのフォーマットを自分で固定して上司に「このフォーマットで毎回提出します」と宣言してみる。
・営業で電話営業をしている人であれば、1日での荷電件数と荷電先を午前と午後で割り振って決めてその通りに仕事をして毎日上司に報告をする。
要するに、まずは「自分が決まったことをしっかりと毎日やってこなしてますよ」アピールをできるようにするといいと思います。
そうすれば、上司は少なくともこれくらいの作業は毎日こなしてくれているんだなという一つの判断基準が持てます。
いずれ、こういったアピールを続けていくと自然と仕事の型として自分に馴染んでくるのでOKです。
モチベーションは本当にいらない?
それでは、本当に仕事にモチベーションはいらないのかというと、
仕事にはいらないけど将来にモチベーションを置くのが正しい
というのが僕の考えです。
日々の仕事のほとんどはたいして面白いものでもないし、そもそも自分が好きなことを仕事にできている人がどれほどいるかということを考えると仕事の業務そのものにモチベーションを置くのは間違いでしょう。
理由は上で説明した通りです。
ただ、何のためにもならない仕事だと気分が乗らないのも事実。
では、どうするのかというと、将来に対してモチベーションを置くことが重要なのだと考えます。
つまり、
3年後こういう自分になってこういうことをしたい→だから今は頑張る
という図式が仕事とモチベーションの関係としては適切だと思います。
こうすることで、多少気乗りしない仕事だったり、キツイ仕事でも将来のために頑張るという気持ちで乗り切れるようになるのではないでしょうか。
まとめ
今回は、僕個人のモチベーションと仕事に関する考えについて書きました。
モチベーションは日常の些細なことで影響を受ける不安定なものなので、そのモチベーションを「今」の仕事と切り離して、「将来」の自分とリンクさせることで自分の仕事のパフォーマンスの波を少しでも小さくできたらいいかと思います。
自分の仕事のパフォーマンスに自信を持って、モチベーションに左右されずに結果にコミットしていきたいですね。