「若者のクルマ離れって最近よく聞くけど、どうしてんなんだろう?」、「若者がクルマ離れしている原因はなんとなくわかるけど、何か対策はあるのかな?」
こんな疑問にお答えします。
若者、特に都心部での若者のクルマ離れが叫ばれて久しいですが、どうして若者はクルマに乗らなくなったのか。
今回は、僕自身都内でクルマを所有している立ち位置からあれこれと考えてみたいと思います。
若者のクルマ離れは本当か?
まずは、現代の若者が本当にクルマ離れしているのかということについて。
何も、仰々しいデータや資料を持ち出すわけではなく、あくまで僕個人の感覚値としての話をします。
結論から言うと、「YES」です。
実際、僕の周りで自分の車を持っている人はほとんど、と言うか全くいません。
その多くが「車にそもそも興味がない」、「都内で車を持つとかコスパが悪すぎる」といった理由で車を所有していないようです。
もう少し理由を深掘りしてみます。
若者のクルマ離れの原因
よく言われているクルマ離れの原因をみてみます。
原因①:そもそも免許証を持っていない
実は、これが意外とクルマ離れの原因の多くを占めるのではないかと思うのが、そもそも免許証を持っていないパターンです。
免許証がなければ、車の購入以前に車を運転できないので。
実際、学生時代に免許証を取っていないと社会人になってからでは、なかなか時間の融通も利かず自動車学校に通うのも難しいかと思います。
また、免許証の取得には、自動車学校に通う学費や免許証の発行手数料など諸々含めて30万円くらいかかるので金銭的な面でも難しいという若者も少なくないはずです。
原因②:クルマに乗る必要がない
これは特に、都内に住んでいる方が当てはまるのかなと思いますが、そもそも車を所有してまで移動手段に困っていないというものです。
電車やバス、タクシーなどどこへ行くにも移動手段が豊富にある都内であれば、わざわざ高い維持費を払ってまで車を買わないという考えはわからなくもないですよね。
原因③:シェアリングサービスの充実
最近になってよく聞くようになった理由に、カーシェアリングがあります。
特に、情報感度の高い人やコスパ意識が高い人は、自分で車を所有するよりも、必要な時に必要なだけ利用できるカーシェアリングサービスは魅力的です。
確かにエニカもあるしカレコなどのカーシェアもあるし、レンタカーもあるしで、車を所有するものから、「共有する」ものへと意識が変わってきているのかもしれません。
原因④:お金がない
これはもっともクリティカルな原因かもしれませんが、車を所有したくてもお金がなくてできないパターンです。
実際、車を新車・中古車関係なく所有しようとした場合、ローンを組んで所有すると最低でも月7万くらいはかかってきます。
新卒で初任給が20万円くらいだと考えると、若い人(=20代)が車を所有するのは、かなり経済的負担が大きいかもしれません。
ちなみに、都内で車を所有した場合の維持費についてはこちらの記事でも触れているので読んでみてください。
どうすれば若者の車離れを解消できるか?
上で挙げた理由のほかにもたくさんの原因があって若者が車を買わない現実があるのだと思います。
では、どうすれば若者の車離れを解消できるでしょうか。
ここからは、完全に僕個人の意見ですが、少なくとも20代で車を所有している身として考えていることをご紹介します。
結局のところ、喉から手が出るほど欲しいと思えないから
僕個人としては、なんだかんだ理由があるにせよ、この「喉から手が出るほど欲しいと思えない」というのに尽きると考えています。
本当に欲しいと思えたら、いろんなこと諦めても車が人生の上位に来ると思います。
実際、僕も車を買うために色々なもの(主に、飲み会代ですが…)を削って車にお金を充てています。
車を持つ体験という視点の欠落
もう一つ、個人的に思うところは、車を欲しいと思えるかどうかっていうのは、車を持つことを体験したことがないことにも起因しているのかなと。
例えば、「ファッションなんてどうせ頑張ってもしょうがない」、「服にお金かけてもモテるわけじゃない」などと外見を頑張ることに後ろ向きな方っているじゃないですか。
それってきっと、見た目で得をしたことがないからそういう考えをするのではないでしょうか。
見た目が良くないと体験できないことを知って、それが普通だと体験できない素晴らしいことだと知ったら、きっと外見を磨こうって考えるんじゃないかな。
別にファッションに限らず、食事とかだって、ただ単にお腹を満たすだけだったらその辺のコンビニ弁当でいいし、なんなら栄養剤でもいいけど、最高の素材で、最高の職人が気合を入れて作ったものを体験してしまうと、やっぱりそれがいいなと感じると思うんですよね。
これを車の話に置き換えると、単に車の物としての側面、移動手段としての側面だけ見ているとのは、結局そういう範囲でしか車を捕らえられていなくて、自分がいいと思える車を所有することで得られる様々な付加価値を考えられていないということになるかと思います。
若者の車離れの解決策
結局、解決策はなんだという話になりますが、僕個人としてはやっぱり身近に車が好きな人がいる状況がもっと広まるといいのかなと思います。
実際、地方であればなんだかんだで自分のお金にしろ、親のお金にしろ車は必要性に駆られて購入してそうなので。
都市部で若者が車を買う様になるためには、自分で車を持つことの良さを語ってくれる人が近くにいて、その人から影響を受けるのがいいかと思います。
車の維持費は高いですが、まぁ、買ってしまえばなんとかなるものです(経験談)。
まとめ
車の所有に関しては、個人の考えもあるので、一概に絶対所有しろとは思いません。
でも、車好きの僕としては、ぜひ自分で所有してみてその良さを知ってもらいたいなと思います。
大切なのは、車は単なる移動手段以外にもそれを超える大きな付加価値がたくさんあるという視点を持つことかと。
今回はこの辺りで終わります。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
最後に、車を所有することの楽しさを教えてくれる素敵な小説をご紹介して終わりにします。
雨の日には車をみがいて (集英社文庫)
1台のオンボロ車とひきかえに、主人公は、ひとりの女友だちを失う・・・。
ポルシェ、ボルボ、アルファ・ロメオなど、9台の車にまつわるホロ苦い青春の季節を描く9つの恋物語を納めた小説です。
車を巡る人間模様、女性との関わりなどをノスタルジックな筆跡でたどる珠玉の車小説です。
車好きの方にも、そうでない方にもぜひおすすめの一冊。
スモールトーク (角川文庫)
クルマの「嗜好品」としての側面,「官能的」な側面に思い切りフォーカスされた作品です。
車がわからない人には少し怪訝な印象を持たせてしまうかもしれないですが、少しでも車に興味がある人なら最高に小気味よい物語が展開されています。
内容としては、主人公「ゆうこ(ユーコ)」の前に昔の男がクルマに乗って現れたところから始まります。
男は次々と新しいクルマに乗ってやってくる。ジャガー、クライスラー、サーブ、アストンマーチン・・・。戸惑いながらも彼女は、昔の男との関係を始める。
オトコとオンナとクルマの小物語といったところです。
上で紹介した小説と合わせて読みたい逸品。