ブロックチェーン、なんで思いつかなかったのか?


きっと仮想通貨界隈にいる方なら多くが一度は疑問に思ったであろうことについて考察してみます。

それは、

「ブロックチェーン、なんでもっと早く思いつかなかったの?」

という素朴な疑問です。

ブロックチェーンの基本的なコンセプトって、少し勉強すれば理解できると思うのですが、なんで今まで表舞台に出てこなかったのか。

今回はその辺りについての記事です。

(※ブロックチェーンについての詳細な定義だったり、深い知識を議論する記事ではありません。随所で正確性に掛ける部分があるかもしれませんがそこはご容赦いただければと思います。)

それでは、レッツゴー。

ブロックチェーン:おさらい


まずは、簡単にブロックチェーンのおさらいです。

ブロックチェーンとは、ざっくりと言ってしまえばP2Pネットワークを活用した分散型台帳技術のことでした。

特に、仮想通貨に限定して言ってしまえば、仮想通貨を使って行われた取引履歴が記録されたデータの塊(=ブロック)が数珠つなぎにつなぎ合わさったものでした。

ブロックチェーンの特徴は、そのデータの非改ざん性にあって、一度ブロックにデータを記録すると一般的には改ざんができない仕組みを持っています。

また、P2Pネットワークを活用することで、中央管理母体がなくても自律的に管理が行われるという特徴を持っています。

2008年に発表されたSatoshi Nakamotoの論文によって、ブロックチェーンを用いた仮想通貨のアイデアが提唱され、2009年からBitcoin(ビットコイン)という形で運用が開始されているのは皆さんがよく知るところだと思います。

・・・・

ブロックチェーンのアイデア自体は非常に簡単、というか、飛び抜けて新しい技術という印象を受けないのではないでしょうか。

ブロックチェーンの萌芽


ブロックチェーンの萌芽は、1990年に発表された、ベル通信研究会社所属のStuart Haber氏とW. Scott Stornett氏共著の”How to Time-stamp a digital document”という論文に見ることができます。

この論文では、いわゆるタイムスタンプ技術について解説されており、デジタル化された文書のハッシュ値を、信頼できる第三者(タイムスタンプ局=TSA)が取りまとめて、前の文書のハッシュ値を次の文書のハッシュ値と合わせて、新たなハッシュ値を作り、それを鎖のようにつなげて、デジタル文書の前後性を証明するプロトコルが提案されています。

まさに、ブロックチェーンのトイモデルとでもいうべきものが紹介されています。

実は、ブロックチェーンの原型はすでに90年代には世の中に誕生していたわけです。合わせて各国における法整備等も実はされていました。

この辺りについてはこちらの記事で詳しく紹介されていますので気になる方はチェックしてみてください。

「ブロックチェーン×お金」という強力タッグ


上述のようにブロックチェーンの仕組み(のユースケース)自体は、今から20年以上前には存在していたわけです。

ところが、なかなか表舞台には出てきませんでした。これには、大きく3つの要因があります。

1.ブロックチェーン技術を含め、暗号学的な技術が今ほど一般的ではなかった

2.ネットワーク技術が脆弱で実用的でなかった

3.上2つに関連して、世間の目がブロックチェーンに向いていなかった

要するに、「ブロックチェーン技術がすごそう」というのは一部界隈では認知されていたが、”わかりやすく”それを認知させる術を持っていなかったという訳です。

この”わかりやすく”というのが、こと科学技術では大事なポイントになるかと思います。

少し、ジャンルは違いますが、90年代に数学で約360年に渡って未解決であった「フェルマーの最終定理の解決」も似たような部分があるかと思います。

あれも、数学(特に数論の分野において)たくさんの新技術が生み出されていたが、それらをわかりやすく使って認知させる術がなかった。

そんな中、プリンストン大学の数学者Andrew Wiles氏がフェルマーの最終定理という(少なくとも数学を齧ったことがある人なら)誰もが知っている”わかりやすい”対象に応用して、見事解決したことでその後の数学の発展があった訳です。

話が横に逸れました。

この”わかりやすい対象”をブロックチェーンで考えると、「お金(=ビットコイン)」だった訳です。

ブロックチェーンを一般の人にも理解しやすく、興味がある対象である「お金」というものに結びつけたのがSatoshi Nakamotoの功績の一つではないでしょうか。

まとめ


話が、尻切れトンボになってしまいましたが、まとめると、冒頭の問いに対しては、

思いつかなかったのではなく、広く一般に認知がなかったから実質的にはビットコインの登場を待たなければいけない結果となってしまった

というのが一つの答えになるのではないでしょうか。

拙い文章と浅い考察にお付き合いいただきありがとうございました。

最後に、ブロックチェーンについての理解を深めるためのおすすめの書籍を紹介して終わりにします。

気になる方はぜひ、読んでみてください。面白いです。

ブロックチェーン・レボリューション ――ビットコインを支える技術はどのようにビジネスと経済、そして世界を変えるのか

By: amazon.co.jp