「最近よく聞く『DApps』ってなんなの?」、「『DApps』ってそもそもどう読むの?」、「イーサリアムとDAppsの関係をわかりやすく教えて欲しい」
こんな疑問にお答えします。
「DApps」は仮想通貨やブロックチェーンのことを調べていると必ずといっていいほど出てくる用語です。
これからどんどん注目度が上がってくる(と考えられている)いるのでサクッと知識を付けておきましょう。
DApps(分散型アプリケーション)とは?
「DApps」とは、Decentralized Applications(=分散型アプリケーション)の略称で、「ダップス」、「ディーアップス」、「ディーアプス」などと呼ばれています(※決まった呼び方は無いようです)。
DAppsは、ブロックチェーン技術を利用した次世代のアプリケーションで、将来的には大きな市場を形成すると考えられています。
DAppsは、従来のように企業がサービスを提供するのではなく、仮想通貨にも使われるブロックチェーン技術を活用して、みんなでサービスを運営していくアプリケーションです。
この「企業がサービス提供の主体じゃない」、「みんなでサービスを運営する」という点が「分散型」の意味するところです。
DApps(分散型アプリケーション)の定義とは?
「このアプリケーションはDAppsです!」と言うためには、以下の条件を満たしている必要があります。
① アプリケーションは、オープンソースであること。オペレーションは自動であり、中央のコントロール主体を持たないこと。トークン、データ、レコード、などにつき、暗号化されて分散化されたブロックチェーンを利用していること。
② アプリケーションは、オープンに流通可能な、暗号トークンを持っていること。アプリケーションの利用に際してトークンを利用すること。参加者には、そのトークンによってリワード(報酬)が支払われること。
③ アプリケーションはマーケットやユーザーからの改善要求によりプロトコルを改善していくこと。この改善は、ユーザーのコンセンサスによること。
何を言ってるかわからないので、ザックリと言ってしまえば、
・プログラムが企業を介さないでアプリを動かしている
・ブロックチェーンを使っている
・トークン(仮想通貨)が利用される
・企業ではなく、ユーザーの声で運営がされている
ようなアプリをDAppsと呼びます。
DApps(分散型アプリケーション)のメリット
すでにあるアプリケーション(LINEとかfacebookとかなんでも)でも、十分にみんなに使われているのに、わざわざDAppsに注目が集まる理由はなんでしょうか?
手数料がかからない
DAppsの大きな特徴に、中央管理者(=企業など)がいないというのがありました。
このため、通常アプリケーションのサービスを利用をするには直接・間接的にこれらの企業に手数料を払う必要があります。
ところが、DAppsではそもそもこの管理者がいないため、手数料を払う必要がありません。
安心して利用できる
DAppsでは、中央管理者がいないため、例えばサービスを運営している企業がユーザーの個人情報を流出してしまったなんてことは起こりにくいです。
また、サービスの運営企業が倒産して突然サービスが無くなってしまうなんてこともありません。
この意味で、DAppsは従来のアプリケーションよりも安全なものと考えられています。
ちなみに、あのfacebookのCEOであるマーク・ザッカーバーグもDAppsについて言及しています。
例えば、現時点でテクノロジー分野において最も興味深いトピックの一つは中央集権と非中央集権の対比だ。我々の多くは、テクノロジーに興味を持ったが、それはテクノロジーが個々人に力を与えるような分散化する原動力になると信じているからだ(Facebookのミッションは”人々に力を”だ)。1990年台から2000年台にかけて、殆どの人がテクノロジーは非中央集権化する原動力になると信じていた。
しかし今日、多くの人々はその見通しに対する自信を失っている。少数の巨大なテック企業と市民を監視するためにテクノロジーを利用する政府の台頭と共に、人々はテクノロジーとはパワーを非中央集権化させるのではなく、むしろただ中央集権化させるものだと思っている。
とはいえ、暗号化や暗号通貨のようにこれらに逆行する流れもある。そしてそれらは、中央集権型システムから、個々人の手に力を移行させる。これらはコントロールが及ばなくなるというリスクもある。私は、これらのテクノロジーをより深く理解し、ポジティブな側面とネガティブな側面を学び、そして我々のサービスへの最適な利用法を考えたい。
DApps(分散型アプリケーション)の課題
もちろん、現段階ではDAppsには課題も存在します。
セキュリティリスクの問題
DAppsでは、従来のような運営企業の倒産などによるサービスストップのリスクが少ないことは上で解説した通りです。
一方で、そもそもプログラムで動いているためハッキングリスクがあり、まだまだ安全であるとは言い切れないのが現状です。
スケーラビリティの問題
DAppsの課題としては現在スケーラビリティの問題があります。
「スケーラビリティ」とは、簡単に言ってしまえばそのサービス(アプリ)がしっかりとユーザーの増加に対応して機能するかどうかというような意味合いで、
今後DAppsを多くの人が利用するようになった時に、対応がまだできるような状態ではないのがDAppsの課題です。
DApps(分散型アプリケーション)の例
DAppsの代表的な例をいくつかご紹介します。ここに紹介するものはごく一部で、DAppsの種類は日々増え続けています。
ビットコイン(Bitcoin)
ビットコイン(Bitcoin)は実は、代表的なDAppsになります。
仮想通貨としての側面が強調されがちですが、DAppsの定義にきっちりと当てはまる性質を持っています。
クリプトキティーズ(CryptoKitties)
「クリプトキティーズ」はユーザーが購入した子猫を他の猫と交配させて、新たなオリジナルの子猫を作り、育てるゲームです。
作った猫はユーザー同士でイーサリアム(Ethereum)を使って売買が可能で、レア度の高い猫にはそれだけ高額な価格がつきます。
ビットペット(BitPet)
こちらもユーザーがキャラクターを育成・売買・交配などをして遊ぶことができるゲームです。
イーサリアム(Ethereum)を課金しないと遊ぶことができませんが、ミニゲーム内で仮想通貨を稼ぐことができるため人気を集めています。
イーサデルタ(EtherDelta)
DEX(分散型取引所)と呼ばれる仮想通貨取引所の一つです。
ビットフライヤー(bitFlyer)やザイフ(Zaif)のような取引所と違って運営している会社がいないのが特徴です(←DAppsの特徴)。
運営企業の経営破綻などが起きないため、安全性は高いですが、全ての取引をオンチェーン(ブロックチェーン上のトランザクション)で行うため、手数料が非常に高くスケーラビリティが低いのが課題です。
スティーミット(Steemit)
「スティーミット」は、ユーザーが記事を書くと、仮想通貨をもらうことができる新しいタイプのWebメディアサービスです。
記事を書いた人は、読者からの評価に応じて報酬という形で仮想通貨をもらうことができます。
また、良い記事を見つけて、拡散(いいね!をする)した人にも報酬が支払われます。
従来の広告収入モデルに替わる、新しい収入モデルを採用したWebメディアです。
DApps(分散型アプリケーション)とイーサリアム(Ethereum)の関係
DAppsの文脈では、よくイーサリアム(Ethereum)が登場しますが、ここでは両者の関係について解説します。
実は、DAppsはブロックチェーンだけでなく「スマートコントラクト」と呼ばれるものが重要な技術として活用されています。
スマートコントラクトとは、決められたある条件を満たすと自動的に契約(コントラクト)を実行する仕組みのことです。
よく言われるスマートコントラクトのイメージとしては「自動販売機」があります。
決められた現金を入れ、決められたボタンを押すと、自動的に(=スマートに)ある特定の商品が出てきます。
このスマートコントラクトを採用しているのが、何を隠そうイーサリアム(Ethereum)なわけです。
イーサリアム(Ethereum)は、このスマートコントラクトを簡単に実装する仕組みを提供していて、多くのDAppsがこの仕組みを使って開発されています。
DAppsを作りたい→ブロックチェーンとスマートコントラクトの仕組みが必要→イーサリアム(Ethereum)がパッケージで用意してくれている
ということになります。
まとめ
DAppsはまだまだ始まったばかりの概念であり、市場です。
現状リリースされているDAppsゲームの多くはあまり見通しのいいマネタイズができていません。
将来的にどんな形で発展していくかは誰にも分からないフェーズです。
だからこそ、人より先に実際に触りながら勉強していくのが良いのではないでしょうか。
とはいえ、DAppsが将来大きく発展していくことは多くの人が考えている未来なので今のうちにDApps開発ができるようになっておくと稼げるかもしれません。
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