Tik Tokで流行っている(流行ってた?)曲にTez Cadeyの『Seve』という曲があるんですけど、その曲の持ってる空気感と僕が大好きな映画の一つである『WALK ABOUT』の雰囲気がどこかリンクするなーと思っていい感じなのでご紹介します。
Seveダンスって?
今若い人(中学生〜高校生)の間で流行っている動画アプリの「Tik Tok」。
音楽に合わせて様々なエフェクトをかけた動画を共有する動画SNSアプリです。そんなTik Tokで流行っている(流行っていた?)のが「Seveダンス」と呼ばれるものです。
「Seve」という曲に合わせて、ボックスダンスやスポンジボブダンスをする動画がバカ流行りしてました。
まぁ、こんな感じです。
原曲(と言ってもままですが)は、フランスの音楽プロデューサーTez Cadyの「seve」という曲。
曲中サビの部分は最近のトロピカルハウスEDMあるあるで歌詞はありません。サビの前の部分の歌詞はなんとスワヒリ語です。
ちなみに日本語での意味としては、
「神と王の被造物たちよ、声を上げよ、皆が歌えるように」
だそうです。
中毒性のある4つ打ちビートと、どことなく哀愁感漂うメロディーラインが非常に魅力的の曲ですよね。
seveが持つ世界観
「seve」を実際に聴いてみるとわかると思うんですけど、Aviciiなどに代表されるような”ザ・EDM”みたいなうるさい4つ打ちじゃなくて、いわゆるトロピカルハウスのゆったりとした印象の曲に仕上がっています。(※別にAviciiを避難しているわけじゃないです、僕も好きです)
「seve」を聴いた時の印象をうまく言葉で表現するのが難しいのですが、なんか懐かしいというか、でもそれでいてちょっと非現実的な感じの寂しさもあって、エモさもあってと。
とにかくそんな感覚に陥ります。
そんな、感覚に陥る「seve」を聴いてある映画を思い出しました。
『WALK ABOUT』という映画
その映画とは、僕が大学生の時に観た映画で、『WALK ABOUT』という作品です。
作品の概要については以下の通り。
タイトル | WALKABOUT 美しき冒険旅行 |
---|---|
出演 | ジェニー・アガター, リュシュアン・ジョン |
監督 | ニコラス・ローグ |
公開日 | 1971年5月 |
原作 | ジェームズ・ヴァンス・マーシャル |
映画のあらすじは、
オーストラリアの荒野が舞台。都会に暮らす14歳の姉と6歳の弟はある日、父親に連れられて砂漠へドライブに出ます。でもその道中、一家心中を図った父親が自ら命を絶ち、どうにか逃げ延びた姉弟は広大な砂漠の中に取り残されてしまうというもの。
仕方なく荒野を歩き続ける2人だったが、やがて食料も水も尽きていきます。そんな時、姉弟はアボリジニの風習に従って通過儀礼である「walkabout」の旅を続ける原住民の少年に出会う。以来、姉弟は言葉の通じない少年に手助けされながら一緒に旅を続け、野性的な生活に刺激を受けていき、そして、姉と少年は次第に惹かれ合っていく…。
みたいな内容なのですが、何と言ってもこの映画の見所は暴力的までの映像美にあります。
画質が良いとかそういう話ではなく、オーストラリアの荒野の大自然や登場人物(ほぼ3人だけ)の肌の感触、灼熱の空気感などが絶妙に画面から伝わってくるのです。
この空気感というか”ぬめり感”というか、そういった感触を持った映画になっています。
「Seve」と「WALKABOUT」
冒頭の話に戻りますが、この「WALKABOUT」という映画の空気感と「Seve」の空気感が妙にリンクするんですよね。
「オーストラリアの荒野とアボリジニ」対「スワヒリ語とトロピカルEDM」
という一見全く関係がないものの中につながりを感じます。
なんでかなー?っと思って少し考えてみたのですが、きっと下で見る様にそれぞれの作品の構図が似ているからなのかなと思い至りました。
掛け合わせの構図
それぞれの作品を構成している主要なファクターとしては、
WALKABOUT | – | Seve |
---|---|---|
アボリジニ(黒人)の少年⇆白人の姉弟 | ファクター | スワヒリ語の神話めいた歌詞⇆トロピカルEDMの4つうちビート |
自然⇆文明 | 対比構造 | オーセンティックなもの⇆新しいもの |
となるかな(ちょっと無理があるか?)と。こうやってみてみると、どちらの作品も言ってしまえば逆ベクトルの概念の対比をテーマにしていることがわかります。
ここに、僕が感じた両作品のリンクがあるのではと思いました。
まとめ
今回は、流行りの音楽を取り上げて昔の映画を引き合いに出して両作品の”リンク”についてご紹介しました。
結構無理がある議論だとは思いますが、興味を持っていただいて「Seve」を聴いて、「WALKABOUT」を観てもらえたら嬉しいです。
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ではでは。