「ブロックチェーンを活用したサービスってどんなものがあるのだろう?」と考えていたら、ふと昔の大好きなドラマを思い出したので、記事にしました。
そのドラマとは、小栗旬さんと石原さとみさんが主演の『リッチマン、プアウーマン』というドラマです。
『リッチマン、プアウーマン』って?
皆さんは2012年の夏、フジテレビ系の月9枠で放送された『リッチマン、プアウーマン』というテレビドラマをご存知でしょうか。
小栗旬さん演じるIT企業社長、億万長者の日向徹と石原さとみさん演じる冴えない就活生(東大生)の夏井真琴が繰り広げるラブロマンスドラマです。
このドラマの中で、日向徹は国民の戸籍情報を一元管理する「パーソナルファイル」というサービスを作ろうとします。
ドラマの中では、パーソナルファイルについてその仕組み等の詳細は描かれていませんが、タイミング的にもマイナンバー制度の話題を取り入れた脚本だったのではないでしょうか(実際にドラマ内でも「消えた年金問題」についての言及がありました)。
閑話休題。
と、ブロックチェーンの活用法について色々と考えていた時に上記のパーソナルファイルを思い出したというお話です。
ブロックチェーンを用いた個人情報管理サービス
上記のパーソナルファイル、ブロックチェーンを使えば作れるんじゃないかと思い調べてみると、実はすでに、似たようなサービスを展開しようとしているブロックチェーンプロジェクトが存在していました。
【Accenture×Microsoftが提供する生体認証システム】
2017年の国連サミット「ID 2020」にて、AccentureとMicrosoftが共同でブロックチェーン技術と生体認証技術を組み合わせた身元照合システムの試作に成功したと発表しました。
(参照:https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1066327.html)
世界にはおよそ11億人もの人が国が発行したオフィシャルなID(身分証明)を持たないという状況があるようで、この問題に対してブロックチェーンを用いて解決を試みようというのがこの「ID 2020」という取り組みです。
まさに、『リッチマン、プアウーマン』に登場する「パーソナルファイル」そのものが実際に稼働に向けて動いているわけです。しかも、日本ではなく世界規模でパーソナルファイルを作るという。
日本で「パーソナルファイル」は作れる?
じゃあ、実際に今の日本でドラマの中の日向徹が作ろうとした「パーソナルファイル」を作れるかということを考えてみます。
「パーソナルファイル」を作るには、国が(各地方自治体が)管理している、日本人すべての戸籍情報をブロックチェーン上に記録する必要があります。
「パーソナルファイル」を作ろうとした場合、まずはこの「戸籍情報」を扱える必要があります。
となれば、当然ですが一企業が単体でやるのは難しく、国との連携が必要になるでしょう。また、「戸籍情報」というデータの性質上、ブロックチェーンの安全性や企業の信用度も問題になります。
合わせて、現状のブロックチェーンに関わる法律ではそもそも未熟過ぎて「パーソナルファイル」を作るためには法律の策定なども必要になるでしょう。
「パーソナルファイル」を日本で実現するためのハードル
・ブロックチェーン周りの法整備
・ブロックチェーンの安全性の立証
・国と企業の連携
・企業の信用度
・プライバシー周り
・「全戸籍情報」を企業が扱うことへの国民の理解
上記以外にも様々な課題があるのは少し考えると見えてくるでしょう。
これらのことを考えると、現状では日本で「パーソナルファイル」を実現するのは難しそうです。
残念ですが、企業がイニシアチブを取って取り組む事業としてはあまり現実的ではありません。
『リッチマン、プアウーマン』ではどうやってパーソナルファイルを実現した?
それでは、参考までにドラマ内ではどのようにして「パーソナルファイル」を実現したかということですが、
それはぜひ、ドラマを観て確認していただけると嬉しいです。
ポイントは、上で出ている「国と企業の連携」、「企業の信用度」がキーワードになります。
ドラマはDVD版が出ているのでそちらからどうぞ。
「パーソナルファイル」の部分だけでなく、小栗旬さんと石原さとみさんの恋愛模様やITベンチャー企業のサクセスストーリーも合わせてとても面白いドラマに仕上がっているのでぜひ、観てみることをおすすめします。